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>>1から続き)
今回起きたのは、「悪意のあるマイナーが、生成したブロックをすぐに公開(ブロードキャスト)せず、
一定期間隠し持った後に公開することで、他のマイナーの採掘を邪魔する」という攻撃。
「Block Withholding Attack」や「Selfish Mining」と呼ばれ、
計算能力(ハッシュパワー)が極めて高いマイナーなら可能だと以前から指摘されていた。
攻撃者のマイナーは、採掘したブロックを隠し持って採掘を続けている間に、
ほかのマイナーが通常通りブロックを採掘し、生成・公開を行う。
攻撃者のハッシュパワーがほかのマイナーより高い場合、隠れて採掘された未公開のブロックチェーンは、
公開済みのブロックチェーンよりも長くなる。そ
してある時攻撃者は、隠し持っていたブロックを一気に公開する。
「Proof of Work」では、2つのブロックチェーンが併存する「分岐」が起きた場合、
長いチェーンを採用するルールになっている。こ
のため、後で公開された攻撃者のブロックが、公開済みのほかのマイナーによるブロックを置き換えてしまう。
その結果、先に公開されていたブロックは無効になり、
そのブロック上での行われていた取引も無効になる(取引が巻き戻される、Reorg)−−というわけだ。
攻撃があったのは13日〜15日だと、モナコインコミュニティーの「わきやまP」さんは報告。
ブログ「Junya Hirano.com」によると今回、攻撃者は、ブロックを隠し持っている間に、
モナコインを 海外取引所「Livecoin」に送金し、素早くほかのコインに換えて出金。
Livecoinの被害額は1000万円程度だとブログ「ビットコイン研究所ブログ」は伝えている。
モナコインを扱う国内取引所は同様な被害を防ぐため、モナコイン入金に必要な承認数を上げたり、
入金を一時停止するなどの対策を採っている。
bitFlyerとZaifは17日深夜、モナコイン入金のための承認数を上げると発表。
ビットバンクはモナコインの入金を一時停止した。
仮想通貨コミュニティーでは「今回の攻撃は、モナコインに限らず、
ビットコインなど『Proof of Work』を採用しているすべての仮想通貨に起こり得る」との警戒が広がっている。
(以上)