北海道釧路市のラーメン店「海皇」を経営されている高橋順至氏は、国立北海道大学経済学部を主席で卒業され、旧国鉄にキャリアとして入社された方であります。
その後、国鉄の分割民営化に際しては、自らの意思で退社され、ラーメン店「海皇」を開業し、数年後にはフランチャイズ展開を始められました。
そして、店舗展開は順調に進み、すぐに10店舗を数えました。
高橋氏は食材の研究に励み、結果、「カビに強い生麺」と「腐らないスープ」を開発することに成功しました。

注1) 『カビに強い生麺』とは、カビが生えても問題なく使用できる麺のことです。
注2) 『腐らないスープ』とは、市販スープと化学調味料のナイス・ブレンド品です。

このように高橋氏の努力はラーメン店「海皇」の発展の礎となったのであります。

しかし、残念ながら、その後のバブル経済破綻によりフランチャイズ加盟店は減少に転じ、現時点では３店となっております。
高橋氏は経営基盤の安定を図る為、フィリピンにおけるラーメン産業の現状を調査する為、毎月マニラへ通うこととなりました。2002年のことです。
そして、10年間、毎月マニラへ赴き様々な市場調査を実施されました。
特に、夜間の歓楽街でのラーメン店の状況把握に力を注ぎました。
詳細なデータを得る為に、あえて風俗嬢や同性愛者と同行してラーメン店を廻ったりしたものでした。

約10年間、毎月通ったマニラでありましたが、諸般の事情により中止されたのが2012年の２月であると聞きました。
その時点で中止になった理由は不明でしたが、つい最近理由が判明しました。

高橋氏はかなり進行した「胃癌」であることがわかりました。
まことに憂慮すべき事態であると思います。
早期に回復され、『傑作ラーメン』の完成披露をされること期待しております。