【国際】プーチン氏、中国接近の打算(The Economist)
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>>1 続きです。

■中国との軍事演習は米国に見せるのが狙い
一方、今回の軍事演習と同時期にロシアは、ウラジオストクで「東方経済フォーラム」を開催する。これは、政治経済関連の大規模な国際会議で、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席や安倍晋三首相が出席する。プーチン氏と習氏が、共に演習を視察する可能性もある。だが、ロ中の合同演習を実施する真の狙いは、それを米国に見せることにある。プーチン氏は、ニクソンの中国外交が今や逆転したことを見せつけたいのだ。ロシアの東アジア専門家ワシリー・カシン氏の最近の論文によると、以前からロシアは、ロシアを除外することを狙いとした米中の協力関係が続いたことは、「冷戦期における最も重大な失敗」と見なしている。そして「今後はいかなる犠牲を払ってもそうした事態は回避すべきだ」と考えているという。

ロ中関係の雪解けが始まったのは、ソ連のゴルバチョフ書記長(当時)が北京を訪問した1989年からだ。90年代には、エリツィン大統領(当時)がその友好姿勢を引き継いだ。そしてプーチン氏が2004年、中国との間の最後の国境問題を終結させた。だが、こうした動きに米国やその同盟国が気をもむことはなかった。ロシアは沈みゆく大国であり、ロシアは中国を警戒しているのだと考えていたことが一因だ。ロ中の関係改善は自分たちに対抗するのが狙いではなかったという点もある。ところが、事態は変わった。

ロシアは14年にクリミア半島を併合し、それにより欧米から制裁を受けると、欧米に対抗するための政治的な同盟国として、中国に目を向けるようになった。欧米に代わり自国に投融資をしてくれる存在を求めていたこともある。当の中国は、さほどロシアへの投資意欲はない上、ロシアのウクライナへの軍事介入は無謀だとみている。だが中国は、ロシアと欧米の間に生じた亀裂を自国の影響力拡大に生かそうと、最大限活用してきた。加えて、プーチン氏と習氏は、自国でも「色の革命(大衆による民主化運動)」が起きるのではないかとの共通の恐れから、個人的な結びつきを感じている。2人はそうした反乱や動きは米国がけしかけているという認識だ。中ロは、民衆による反乱を抑えるための治安部隊の合同訓練も実施している。

※続きます。

2018/09/12(水)18:11:21.09(CAP_USER.net)


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>>1>>3続きです。

■プーチンが発する2つのメッセージ
中国人民解放軍ロケット軍の元司令官であり、今春、習氏が昇格させた数人の忠誠派に数えられる魏鳳和国防相は4月にモスクワを訪問した際、米国に対しこんな明確なメッセージを送った。「中国側は、中ロ両軍の緊密な関係を米国に示すために来た」

米中央情報局(CIA)の元情報分析官であり、現在はシンクタンクの米戦略国際問題研究所(CSIS)に所属するクリストファー・ジョンソン氏によると、米国はこうした動きを特には気にしていないようだ。ロ中という隣接した超大国は、互いに信用していないため、接近しすぎることはありえないとの通説を今も信じ込んでいるからだという。だが、同氏は「最近までボストークの仮想敵国は確かに中国だったが、今は別の大国が仮想敵とされ、中国がえりすぐりの部隊をロシアとの軍事演習に送り込んでいる」と指摘する。

カーネギー国際平和財団モスクワセンターのアジアの専門家アレクサンドル・ガブエフ氏によると、ロシアの視点に立って見ると、プーチン氏の行動には2つのメッセージが込められているという。

一つは、中国に向けたものだ。対空ミサイルシステムS0や戦闘機SU≠ネど、ロシアの最新の軍事技術を売りつけ、公式な同盟国ではないのに最大規模の軍事演習に招待することで、プーチン氏は中国をもはや脅威と見なしていないということを示そうとしている(これまでロシアの指導者たちは、中国がシベリアや極東の広大かつ人口密度の低い地域を手に入れようとするのではないかと恐れていた)。そして、中国はロシアの信頼を得たお返しに、米国の制裁による影響を相殺できる規模の資金を提供すべきだ、というわけだ。

※続きます。

2018/09/12(水)18:12:32.79(CAP_USER.net)


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>>1>>3>>5 続きです。

■もはや米中ロの関係の中心は米国ではない
もう一つは、欧米に向けられている。「これ以上ロシアが中国に取り込まれるのが嫌なら、制裁でロシアを窮地に追い込むのはやめろ」とのメッセージだ。もっともこうした考え方は、中国にロシアと緊密になりすぎると世界でロシアと共に孤立しかねないという警戒心、そして中国のロシアと戦略的同盟を結ぶことへの抵抗感を強めてしまう。ロシアを長年、観察してきた中国は、ロシアが欧米に資金や子供たちを預けており、依然として中国より欧米を志向していることをよく承知している。しかも、何かあればロシアがすぐ中国から欧米の方を向く可能性も知っている。

ロシアと中国がいくら関係を深めても、米国のことが気になって仕方がないという状況は、最近のロ中関係と、米国が70年代に築いたその原型とがいかに変わったかを物語っている。米シンクタンク、キッシンジャー・アソシエイツのトーマス・グレアム氏によると、70年代には米国が3国の中心に位置し、経済的にも軍事的にも強大な国として中ソと対話していた。だが現在、中心となっているのは中国であり、3国のうち最も弱いのは中国ではなくロシアだ。ただ、プーチン氏は弱い立場から勝負するのにたけている。中国との関係は日和見主義的かもしれないが、それでも米国に痛手を負わせることはできる。

だが、米国が長期的に懸念すべきは、中国が東欧諸国のほか、中央アジアやバルト3国を含む旧ソ連圏に、経済的および政治的に進出しようともくろんでいることだろう。それを心配すべきだという点では、ロシアも同じだ。

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2018/09/12(水)18:13:42.88(CAP_USER.net)


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